
到達高度の更新を目指し、
エンジンの軽量化に取り組んでいます
坂野皇希さん
工学研究科 工学専攻 機械工学領域
博士前期課程2年
私はハイブリッドロケットのエンジンの軽量化に取り組んでいます。具体的には、従来は金属で製作していたエンジン部品を入れる容器を、炭素繊維強化プラスチックに置き換え。必ずや軽量化を実現し、到達高度の更新を目指します!
髙野敦研究室
工学部 機械工学科
航空宇宙工学、構造力学、複合材料
ハイブリッドロケットの開発・打ち上げにおける課題を髙野先生があらかじめ抽出。その中から自身が探求したい課題を選び、卒業研究の題材とする。担当する題材は3年生の年度末頃に決定し、希望者の重複があった場合は事前に課題による選考を行う。
「何でも自分たちでつくり、直す」が
髙野研究室の文化
主体性を磨き、
卒業後はさまざまな分野で活躍
研究室を卒業した学生たちの多くは、航空機製造・整備を行う企業や、工学、機械系の企業に就職。全体としては学んだ知識を活かせる進路を選ぶ傾向が強いが、中には金融やITの業界に進む学生も。また、全体の約3割は大学院へ進学するそう。
髙野敦研究室で扱うテーマは、航空機や宇宙機(ロケットや人工衛星、探査機など)の構造設計だ。その応用として、髙野先生が顧問を務める宇宙ロケット部とも協力しながら、ハイブリッドロケットの開発と打ち上げにも取り組んでいる。その開発成果は目覚ましく、過去には民間組織を含めて国内第3位となる打ち上げ高度(10.1km)を記録し、さらに公表されている中ではハイブリッドロケット国内最速(マッハ1.5)での飛行も達成。今後は民間企業からの協力も得ながら、2026年に念願の宇宙到達を目指すそうだ。
そんなロケットの開発は、研究室の学生の卒業研究によって成り立っている。
「エンジンや胴体、翼といった各パーツ、衛星を放出するための分離機構、打ち上げに伴って飛散した機体の回収に必要な装置といったように研究テーマを分け、一人ひとりが異なる役割を担いながら、みんなで力を合わせてロケットの完成というゴールを目指します」
そんな髙野研究室で求められるのは、「自ら前に進む力」だという。
「学生たちには、視野を広げ、何にでも興味をもって、主体的に研究に取り組んでほしいと思っています。同じ場所に立ち止まって考え続けるよりも、とにかく手を動かして試行錯誤する。“今できること”を探して前に進む。そういう姿勢を求めています。
自ら前に進む力は、社会に出てからも必ず求められます。なぜなら、自分が望む環境に置かれるとは限らないからです。志望した企業に採用されるかはわかりませんし、もし入社できても、望んだ部署に配属されないかもしれない。むしろ、その可能性のほうが高いでしょう。でも、それで自分の人生を諦めるわけにはいきませんよね。置かれた場所で、自分の理想を叶えるためにできることを一生懸命にやる。人生の主人公は自分であることを忘れず、未来を自分の手で切り開く。研究をとおして、知識はもちろん、前を向いて生きていく力も養ってもらえたらと願っています」
到達高度の更新を目指し、
エンジンの軽量化に取り組んでいます
坂野皇希さん
工学研究科 工学専攻 機械工学領域
博士前期課程2年
私はハイブリッドロケットのエンジンの軽量化に取り組んでいます。具体的には、従来は金属で製作していたエンジン部品を入れる容器を、炭素繊維強化プラスチックに置き換え。必ずや軽量化を実現し、到達高度の更新を目指します!
部活をとおしてロケット開発の
魅力に気づき、髙野研究室を選択
日吉 賢祐さん
工学部 機械工学科 4年
髙野研究室を選んだ理由は、1年生から宇宙ロケット部で活動し、2度の打ち上げ試験を経験するうちに、開発により深く携わりたいと思うようになったからです。髙野研究室と宇宙ロケット部の実績は、国内のほかの学生ロケット団体と比べて最も宇宙空間到達に近く、ロマンを感じながら取り組めています!
同じ目標の下に団結しているから、
何でも話し合える
藤田 あかねさん
工学研究科 工学専攻 機械工学領域
博士前期課程1年
「ロケットを打ち上げる」という共通目標の下で団結しているので、学生同士の仲がいいです。真剣だからこそときにはぶつかることもありますが、何でも話し合える間柄で、居心地のいい研究室だと思います。
実は私、
宇宙
ロケット部
の顧問
も務めて
います!
私が顧問を務める宇宙ロケット部には、理学部、経済学部、法学部などさまざまな学部の学生が在籍。学部の垣根を越えて、みんなで一丸となって開発に取り組んでいます。
ちなみに、宇宙ロケット部は人気マンガ「放課後、僕らは宇宙に惑う」のモデルにもなっているんです。作者の斉藤ゆう先生は何度か研究室に取材にいらして、学生たちと長い時間語らっていましたよ。もちろん私も全話読んでおり、最新話の更新を楽しみにしています。