「センパイに会いたい」今のわたしが作られるまでの軌跡

INTLOOP株式会社
ビジネスインキュベーション本部
バイスプレジデント

森 健さん

もり たけし

1975年生まれ、愛知県出身。
1997年3月経済学部貿易学科(当時)卒業。
イギリスのアストン大学留学を経てアンダーセン・コンサルティング(現在のアクセンチュア)に入社。7年間、コンサルタントとして多数の企業のマネジメントに携わった後、日本テレコム(現ソフトバンク)、日本ロレアルを経てINTLOOPへ。
その後、日本マクドナルドの財務本部に転じ、アパレル関連企業のCFO、トリドールHDグループのシェアード・サービス子会社の代表取締役社長を務めたのち、INTLOOPに復帰した。

コンサルティング会社での経験をベースに
多様な業種を経験してたどりついた
「営業」の仕事

INTLOOPは今年7月に上場したコンサルティング事業を中核とする企業。森健さんは、そこでバイスプレジデントを務めている。

「神大を志望したのは、大ファンであるB'zの稲葉浩志さんが横浜の大学出身だったから。自分も横浜に住んでみたかったんです(笑)」
もともとは「勉強嫌い」だったが、大学2年生のとき、英語ができれば将来なにかの役に立つかもと、語学学校に入学。それを機に、イギリスに短期留学したことで意識が変わった。
「現地の人々と交流したら、ひと月ほどで日常会話くらいならできるようになったんです。受験勉強のときは英語が苦手でしたけど、実践で学ぶことはとても楽しいと感じました」

3年生になると中野宏一先生(現・神奈川大学附属中・高等学校長)のゼミに参加したことで、さらに学びは広がる。
「主な研究テーマはマーケティングでした。実際の社会や生活とつながりをイメージしやすい内容だったので具体的な疑問が次々と湧いてきて、自分で調べ、考える癖がつきました」

こうして英語とビジネスに興味をもった森さんは卒業後、ビジネススクールが有名なイギリスのアストン大学に留学。そのまま海外で就職するつもりだったが「久しぶりに帰国したら母国の心地良さに気付いて」日本の企業に方針転換。通年採用を行っている企業を探して入社したのが世界中に展開するコンサルティング会社であるアクセンチュアだった。
「英語力にはある程度の自信がありましたけど、コンサルティングの仕事についての知識はほぼゼロ。でも、なんとかなるだろうって」
「わからないことは自ら尋ね、調べる」を実践し、結果が出るようになったが、そこでまた新たな分野への興味が生まれる。以後、森さんはさまざまな会社での業務経験を積むことになる。たとえば日本ロレアルでは「コンサルティング会社で得た経験を、リアルな『物』を扱うビジネスで実践」した。
また、「財務会計の力をつけたい」と感じ、日本マクドナルド財務本部からの誘いに乗った。「経営に興味をもちはじめて」、会社の代表を務めたこともある。
「自分のバリューが活きる仕事がなにかは常に考えているし、未経験の分野に挑戦するのも好きなんです。飽きっぽくて落ち着きのない性格も影響しているかもしれませんけど(笑)」
現在、勤務しているINTLOOPはアクセンチュア時代の仲間が立ち上げた会社。創業間もない頃も一時、所属していたが、誘いに応えるかたちで〝復帰〞した。

「いまは新たな関連事業をつくるといった会社自体の営業をしています。いろいろな企業や業種、立場を経験してきたので、それをいちばん活かせるかなと思って」
大学での経験が大きく人生を変えたという森さん。在学生にも4年間を大切にしてほしいと言う。
「大学時代はやりたいことや勉強に集中しやすい貴重な時間。将来のキャリアについても、自分なりに情報収集をしながら熟考したり、インターンをしてみたり有意義に過ごしてほしいと思います」

SCHOOL DAYS #01

大学卒業の記念写真。実は3年生までに卒業に必要な単位を取得していたため4年時は留学準備のため単身イギリスでアルバイトをしながら暮らし、卒論執筆に集中していた。

SCHOOL DAYS #02

大学途中までは勉強嫌いで将来の夢も特になかったという森さんだが、大学でできた友人と過ごす時間は、留学から帰国した際に感じた母国の心地良さのひとつだった。

※取材当時の内容です
(2022年12月発行「神大スタイル337号」より)

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