THIS and THAT 神大留学生のアレコレ

本学では、世界42カ国から630名の留学生を受け入れています。今回の特集では、そんな留学生たちにスポットを当て、それぞれの企画をとおして彼らのバックグラウンドやキャンパスライフのなかで感じていることなどに迫りました。
最初にお届けするのは、インドネシアと中国からの留学生と、日本人学生の対談の様子。文化や価値観の異なる留学生から見た日本人学生は、一体どのように見えているのでしょうか? 4人の参加者に、日本の意外な魅力や日本人学生が留学生と交流する際に必要な心構えなどについて話してもらいました。

DATA
JINDAI留学生データ

留学生総数と内訳の円グラフ 留学生総数:630人 内訳:中国 453人、韓国 49人、台湾 17人、ドイツ 16人、イタリア 10人、オランダ 7人、イギリス 7人、メキシコ 7人、マレーシア 6人、その他58人 ※2024年5月現在
  • ファネサ ローレンシアさん
    国際日本学部 国際文化交流学科 4年
    [出身]インドネシア共和国

    現在は卒論を鋭意執筆中!中国語の勉強と趣味のパンづくりがいい息抜きに。無心でパン生地をこねるとリフレッシュになるのだとか。

  • 笠高 駿(カサタカ ハヤテ)さん
    人文学研究科 博士後期課程
    欧米言語文化専攻 1年

    言語学、特に日常会話を研究中。現在は国際寮「栗田谷アカデメイア」に入居しており、そこでの留学生の会話も研究対象としている。

  • 施 宝明(シ ホウメイ)さん
    法学部 法律学科 2年
    [出身]中華人民共和国

    神大スタイルの学生編集スタッフ。カメラが趣味で、記事用に写真を撮ることもある。授業では、写真と著作権に関する法律の勉強に力を入れているそう。

  • 森 紫織(モリ シオリ)さん
    法学部 法律学科 2年

    施さんと同じく神大スタイルの学生編集スタッフで、学部・学科も同じ。剣道、声楽、ピアノ、アニメと多趣味!

CROSS TALK
日本人学生×留学生

神大に
留学を決めた理由は?

ファネサさん 日本に興味をもったきっかけは、アニメ。そこから日本に留学して観光の勉強をしたいと考えるようになり、神大に入学しました。神大を選んだのは、観光文化コースがあることと、みなとみらいにキャンパスがあることです。

施さん 私は高校生の頃から「法律を学びたい」「留学したい」と考えるようになり、海外の大学の法学部を志望していました。最終的にはドイツと日本で迷ったのですが、より食べ物が合いそうな日本を選択。神大を選んだのは、旅行で訪れた際に横浜の街に魅力を感じたことが大きな理由です。

留学生が日本を選ぶ理由のひとつが、治安。「夜に女性がひとりで外を歩けるくらい治安がいいのは、日本の大きな魅力だと思います」(ファネサさん)

衝撃!母国と日本は
ここが違う

ファネサさん 日本人は消極的な人が多い印象です。例えば授業で先生から私たち学生に問いかけがあっても、お互いに譲り合うような雰囲気になって、結局誰も発言しないことがほとんど。なので、いつも私が答えてしまうんですよね(笑)。
「私ばかり話して、目立ちたがり屋だと思われないか」と不安でしたが、むしろみんなが私の積極性を褒めてくれたんです。その反応も予想外でびっくりしました。

施さん 私も、グループワークに参加した際、周りの日本人メンバーからなかなか意見が出なくて驚いた経験があります。私は欧米人の友人も多いのですが、彼らは話すのがとても好きなので、大きなギャップを感じますね。

ファネサさん でも、日本人学生のみなさんとじっくり話してみると、みんな意見をもっていると感じます。恥ずかしがっているだけだと思うので、もっと自信をもって発信してほしいです。

生活面ではこんな話も…
諸外国に比べて現金への信頼度が高い日本では、キャッシュレス決済の導入率がまだまだ低い。「浅草に出かけた際、現金を持ち合わせておらず、なかなか食事にありつけず困りました」(施さん)

留学生が考える
日本の好きなところ

ファネサさん マナーを守るところがとても好きです!行列にちゃんと並ぶし、時間の管理も徹底していますよね。
私の母国であるインドネシアは、「キラキラの国」といわれているんです。キラキラとは、インドネシア語で「大体」という意味。よくいえばおおらかですが、日本のようにきちんとしているのは素晴らしいと思います。

施さん 私は、おもに行政の諸手続きが煩雑なところですね。「それは悪いところでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、きちんと管理されているという安心感があります。

笠高さん 面倒な手続きをポジティブに捉えているとは、驚きです!
私は国際寮に入居してもうすぐ2年になりますが、今の施さんの話のように、留学生とのやりとりのなかで日本独自の特徴に気づかされることは多いです。

ファネサさん、施さんによると「留学生は日本人学生に対して基本的にいつでもウェルカム!」なのだそう。読者のみなさんも、ぜひ勇気を出して声をかけてみてほしい。
対談では日本人学生にとっては意外な発見も多く、大盛り上がり!異 なる視点をもつ者同士が交わることの楽しさを存分に感じられる場になった。

日本人学生と留学生が
交流を深めるために

森さん 「日本人学生と留学生」というくくりで考えるのではなくて、学部間の交流が盛んになるといいのではないでしょうか?日本人学生も、学部やキャンパスが違うとほとんど交流がないので。「所属が異なる者同士が交わる場」が増えれば、自ずと留学生とも交流できるのかなと思います。

笠高さん それから、日本人学生が「完璧主義」をやめる必要もあると感じます。私は国際寮でRA(留学生のサポートや寮のイベント運営を担う学生スタッフ)をやっていて、「留学生との交流イベント」にも携わるのですが、日本人学生の多くが「自分は英語が話せないから参加できない」と考えているんですよね。もっとハードルを下げて、まずは声をかけてみるべきだと思います。

ファネサさん 英語力への自信のなさが理由で交流できていないことを考えると、イベントをやる際、「人数のバランス」を工夫するのがいいかもしれません。個人的な感覚としては、少人数、かつ日本人が多いグループをつくるのがベストだと思います。人数が多すぎると日本人同士、留学生同士でまとまってしまうでしょうし、1対1では英語が不安なはず。数人の日本人でお互いにカバーしながら、留学生と話すのがいいのではないでしょうか?
とはいえ、留学生からしたら、日本人学生に話しかけられるのはとてもうれしいことです。イベントに限らず、もし機会があれば、英語が話せなくてもどんどん声をかけてみてくださいね。

森さん 私も「英語が話せないのに声をかけたら迷惑かも」と考えていました。今後はもっと気軽にコミュニケーションをとろうと思います!

初対面のメンバーもいたものの、対談をとおしてお互いの距離がぐっ と縮まり、最後はみなさん打ち解けた様子。「話してみること」の大切さを改めて実感できた。
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