本学学生の生活実態の全体的な傾向を把握し、学生生活や修学支援などの今後の施策を立てることを目的として調査を実施しました。(回答者数4370名)以下のとおり、調査結果の抜粋を報告します。
- 調査実施期間
- 2023年10月16日~2023年11月17日
- 回答者数
- 学部生 :4240名
大学院生:130名
学生生活支援委員会より
2023年度の「学生生活実態調査」の報告書をまとめました。新型コロナウイルス収束後初めての調査となりましたが、前回(1792名)を大幅に上回る4370名より回答が得られ、コロナ禍を経て社会環境が刻々と変化しているなかで、大学への思いや期待の込められたメッセージが寄せられたと考えています。
まずは、本調査への回答にご協力いただいた学部生及び大学院生の皆さんに心より感謝申し上げ、以下に調査結果の概況を述べさせていただきます。
1.学費について
多くの学生が親の収入で学費を納付している傾向に大きな変化はありませんが、3割程度の学生が奨学金を利用して納付していることが分かります。国による高等教育の修学支援新制度も導入され、経済的に修学が困難な学生に対する支援が大幅に拡張されていますが、真に必要とされる学生に支援が行き渡るよう、学内奨学金制度についても更なる整備が求められます。
2.学生の一週間あたりの学習時間について
一週間あたりの予習、復習に費やす学習時間については、コロナ禍にあった前回調査では「ほとんどない」と回答した学生の割合が23.8%でしたが今回は32.4%と増加しています。本調査における自由記述欄にも、学習意欲が不十分な学生を問題視している回答が寄せられており、学生には学問に向き合う姿勢を再考していただくとともに、学問への興味関心を喚起させる指導の工夫など全学的に取り組むべき喫緊の課題であると捉えています。
3.学生の皆さんが現在抱えている問題について
進路や就職の悩みが66.8%と最も多く、大学生に共通の悩みだと考えられます。一方、人権問題における回答では、セクシャル・ハラスメントが大幅に減少しましたが、自由記述欄にも記述されているパワーハラスメントは前回調査と同様の27.8%であることを踏まえて、教職員におけるハラスメントの更なる理解と啓発が必要と思われます。
4.喫煙率について
本学では、2022年にスモークフリー(無煙化)推進宣言を掲げて卒煙支援を推進してきましたが、残念ながら、今回の調査では7.3%と増加に転じています。敷地内禁煙については「現状のままで良い」「分煙をさらに徹底」が微増となる一方、「全面禁煙」は微減となっていますが、自由記述欄には非喫煙者から喫煙を問題視する回答が散見されており、学外での喫煙問題をも含めたバランスの取れた施策の実施が望まれます。
5.自由記述欄の記載内容について
自由記載欄に寄せられた回答について、以下に代表的な内容を集約いたします。
●「本学の魅力や特徴」として挙げられていたのは、総合大学として幅広い学びができる、国内外の多様な学生と触れ合うことができる、学生サポート体制が充実している、清潔感あるキャンパスに様々な施設が整っている、質の高い魅力的な教員が揃っている、横浜の立地に根差した環境やアクセスが良い、安価でおいしい学食などがありました。
●「本学の問題点や改善点」としては、履修制限科目等の履修登録の抽選制度の改善、卒業要件単位の確認に関するサポート、学生が多いことによるキャンパス各所の混雑、WiFi 回線の環境改善、施設や設備の老朽化、喫煙環境の改善、教職員の対応や態度等の様々なコメントや要望が寄せられるなか、エレベーター・エスカレーターの混雑といったキャンパス特有の問題も散見されています。 本学の教職員は、これら学生の生の声として伝えられた貴重な意見に耳を傾け、真摯に受け止めて、対応する必要があると考えています。学生にとって更に魅力的な大学となるよう、引き続き、学内関係者にご協力をお願いする次第です。
アンケート主要調査項目
※調査結果の一部抜粋をグラフ化しています
1生活全般について
生活費収入・支出/大学納付金/定職・アルバイト/キャッシュレス・電子決済/住居形態/通学手段・時間/学習時間/大学生活で重点を置いていること
2心と身体の健康について
悩みの内容/相談相手/相談施設について/学生のピアサポート/喫煙について/日常生活のトラブル
3課外活動について
部活動やサークルへの参加・活動内容/1 週間の活動日数
4図書館の利用について
利用頻度/利用目的/読書時間
5学生支援体制について
学生生活に関する満足度/身に付けたいこと/実現度予測
6情報機器・情報発信について
所持している情報機器/メディア、SNSの利用状況/個人情報の開示状況
7神奈川大学についての満足度
学生生活満足度平均点
※平均点は、「とても満足している」を4点、「ある程度満足している」を3点、「あまり満足していない」を2点、「まったく満足していない」を1点として算出。「経験していない」に関しては、平均点を算出する母集団から除いた。
一週間の予習・復習時間
現在抱えている問題について(全学)
月平均収入合計(全学)
※月平均収入合計と月平均支出合計は、「なし」を0円、「5千円未満」を2,500円、「5千円~1万円未満」を7,500円、「1万円~2万円未満」を15,000円、「2万円~3万円未満」を25,000円、「3万円~4万円未満」を35,000円、「4万円~5万円未満」を45,000万円、「5万円~7万円未満」を60,000円、「7万円~10万円未満」を85,000円、「10万円~15万円未満」を125,000円、「15万円~20万円未満」を175,000円、「20万円以上」を225,000円として算出。