PRESIDENT'S
MANIFESTO
新学長の決意表明
前編

この春から、神奈川大学の新学長に就任した
戸田龍介先生。
新しい大学の旗振り役として
神大をどこへ導くのか、
学生編集スタッフが取材を行いました。
次の100年を見据えて、
神奈川大学の未来を描く
2025年4月1日、経済学部の戸田龍介先生が新しい学長に就任しました。神奈川大学創立100周年を迎える2028年の3月まで、3年間にわたって大学を牽引します。
大きな節目を目前に控えた重要な時期に、戸田学長はどのように神奈川大学の未来を描くのでしょうか。学生編集スタッフの三浦さん、山崎さんがインタビューしました。
Innovation
新学長 戸田龍介先生の改革

Profile
戸田 龍介先生
入試、教育システム、就職支援。「ソフト面」の3つの改革を推進
戸田学長は、これからどのような改革に取り組まれるのですか?
近年、神奈川大学は「ハード面」で大きな改革に取り組んできました。2021年にはみなとみらいキャンパスを開設し、学部・学科の新設や再編成も積極的に行っています。
一方で、私は「ソフト面」の改革も欠かせないと考えています。具体的には、入試、教育システム、就職支援の3点の改革が急務といえるでしょう。
「入試」の改革とは、どんなことを行うのですか?
本年度の入試から、英検などの英語外部試験利用を導入します。また、「総合型選抜(適性検査型)」「一般入試【全学統一型】」「大学入学共通テスト利用入試」において、”2併願目が無料”となる新しい割引制度も導入します。
これらの制度は、受験のチャンスを広げることに繋がります。
「教育システム」の改革とは、どのようなものですか?
まず、「学習成果の可視化」を行います。具体的には、大学が掲げる「学士課程教育に関する基本方針(アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー)」に沿って、学生のみなさんがどれくらい力をつけたかをわかりやすく評価するシステムを導入。学修経過を振り返りやすくし、一人ひとりが身につけた力を自ら説明できることを目指します。
さらに、授業の見直しも行いたいと考えています。「学生が力をつけられる内容」をより追求し、さらなるブラッシュアップを図りたいですね。
「就職支援」の改革についても詳しく教えてください。
ボランティアをはじめとした授業以外の経験、いわゆる「ガクチカ」に当たる活動についても大学でサポートする方法を模索し、包括的な就職支援を目指します。
また、学生と企業を密につなぐシステムの構築も目標。主に理工系の学部では、これまでも教員が学生と企業を直接結ぶケースが多々見られましたが、これに類似する仕組みをすべての学部でつくっていきたいと考えています。
学生編集スタッフの取材
すべての学生が「入学してよかった」と思える大学を目指して進化していきたい

戸田学長は、神奈川大学をどんな大学にしていきたいですか?
すべての学生に「入学してよかった」と思ってもらえる大学にしていきたいと考えています。そのためには、先ほどお話しした改革をはじめ、みなさんの成長につながる要素をひとつでも増やしていく努力が必要でしょう。そうして進化を続け、2028年以降の「次の100年」も「選ばれる大学」であり続けたいですね。
少子化などを背景に、近年は私立大学の経営課題が多いと聞きます。選ばれる大学であり続けるためには、何が必要だとお考えですか?
「魅力的なコンテンツ」を豊富に用意することではないでしょうか。そして、そのコンテンツの核となるのはやはり授業だと思います。ここで質問ですが、みなさんは大学の授業を受ける意味をどのように捉えていますか?
私はその答えを、「研究を土台にした教育を受けられること」にあると考えています。例えば、私が教えている簿記会計の知識は、専門学校や通信教育でも身につけられますよね。しかし、私は「簿記会計の処理一つひとつが市場の評価とどう結びついているか」「社会でどのような意味をもつか」といった研究に基づいた授業を行っています。これは、大学ならではの学びといえるでしょう。
神奈川大学には、優れた研究者である教員がたくさんいます。そんな教員たちがより一層研究に邁進できるようにし、その成果を授業に反映してもらうこと。そして、神奈川大学で行われている教育の魅力を受験生にしっかりと伝えることが、私が取り組むべき課題と考えています。
また、改革においてスピーディーに意思決定を下すことも必須だと認識しています。検討を深めることはもちろん重要ですが、考えているだけではいつまでも変化を起こせず、この激動の時代では取り残されてしまいますから。とにかく一歩を踏み出して、走りながら考える。そんな姿勢を大切にしたいですね。
真面目で堅実な神大生の性質が、変わらない「らしさ」だと思う

最後に、戸田学長が考える「神奈川大学らしさ」についてお聞かせください。
神奈川大学で教鞭を執るようになって33年目を迎えますが、建学の精神のひとつである「中正堅実」のとおり、とても真面目で協調性の高い学生が多いと感じています。神大生を採用してくれた企業の方からも、「やるべきことに一生懸命に取り組み、チームワークを大切にできるところを評価した」というお話をよく聞きますよ。そうした学生の性質は長らく変わっていないように思うので、これこそが「神大らしさ」なのではないでしょうか。
「堅実」と聞いて、みなさんの中には「少しおもしろみに欠ける言葉」と感じる方もいるかもしれません。でも、地に足をつけて着実に努力する力は、社会で強く求められます。ぜひ「誇れる強み」として大切にしていってほしいですね。
Student Comment
インタビューを終えて

経営学部 国際経営学科 4年
三浦 知樹さん
今後の大学のビジョンや、学生とは異なる視点から見た神奈川大学らしさについて伺えて、発見の多いインタビューでした!

国際日本学部 日本文化学科 4年
山崎 夏美さん
直接学長のお話を聞ける機会はなかなかないので、貴重な経験ができてうれしかったです!

法学部 自治行政学科 4年
吉原 大翔さん(撮影担当)
行動を起こすことの大切さについて話されていて、私も同じように考えているので、共感できました。もっと戸田学長のことを知りたくなりました。